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教えて、真銅先生! 介護とテクノロジー

皆さん、こんにちは!
少しずつ気温が上昇し過ごしやすい季節になりましたね!
北海道はやはり5月が最高!※誕生日が5月なので個人的な見解です。

さて、今回は「介護とテクノロジー」についてお話したいと思います。
周知の通り介護職はエッセンシャルワーカーなどと呼ばれ、人が生活していく為に無くてはならない仕事の一つです。ですので、機械では行えないものも多くあります。しかし、その全ての業務は本当に人でなければならないのでしょうか?
最近では自動車の運転もある程度、自動運転で行えるようになってきました。現在の自動運転は「レベル2」が中心でしょうが、先に「レベル3」の車もホンダ等から発表されました。これは、条件付きではあるものの、運転の主体が自動車にあるものです。今後、「レベル4」以上(人が運転するウエイトがかなり減る)が公道の主人公となるのも時間の問題でしょう。
また、自動車に限らず、農業や土木建築などもGPSやAI等がコラボし、人手不足の解消や危険な作業を担うようになってきました。それでは、介護のテクノロジーをご紹介したいと思います。

パロ!

これは、世界一癒されるロボットとしてギネスにも認定されたものです。
タテゴトアザラシの赤ちゃん(カナダ北東部に生息。マドレーヌ島沖の氷原で生態調査を実施)をモデルにしたロボットで、様々な刺激に対する反応、朝・昼・夜のリズム、気分にあたる内部状態の3つの要素から、生き物らしい行動を生成。なでられると気持ちが良いという価値観から、なでられた時の行動が出やすくなるよう学し、飼い主の好みに近づいていく。また、名前をつけて呼びかけると学習し反応し始める。
などと、メーカーは謳っています。
既に、多くの高齢者施設などで導入されています。ちなみに、タテゴトアザラシの赤ちゃんはこれです。


似ている‼
一匹本物が混ざっていても気が付かないでしょう(笑)。

次にHAL

これは、脳梗塞の後遺症などで身体に障がいのある方が、上下肢の関節や腰等に装着し、動きのアシストをするロボットです。メーカーでは、『ご利用者様の「もう一歩進みたい」、「生活を改善したい、楽しみたい」を応援します。』と謳っています。
特に脊髄損傷や脳血管疾患等で手足の自由を奪われた方は、その障がいを受け入れ、今自分に残された能力を活用する。という考え方が今までの主流でした。しかし、このようなロボットを使用することにより、「もう一度、歩きたい」「好きなスポーツを楽しみたい」などの希望が叶えられるのならばどんなに素晴らしい事でしょう。また当然、介護士が装着するマッスルスーツも開発されています。これは、腰痛予防に良さそうです。

最後は、これ!

自動排泄処理装器
受講生の皆さんに『もし自分が寝たきりになったらこれを使用したいですか?』の質問に8割の方が「使用したい」と回答しました(あくまで当アカデミーではです)。理由は、「家族に迷惑をかけたくない」「排泄の介助を受けるのは恥ずかしい」などが圧倒的に多かった気がします。皆さんはどう感じますか?
病院や施設では設備がある程度整っているので、紙オムツの交換やその後の処理も比較的簡単ですが、自宅では交換もさることながら、汚物の処理もけっこう大変なものです。これが一日に数回となるとある意味こういった機械に力を借りるのも「アリ」だと思います。

介護の現場では慢性的な人手不足が大きな課題といって間違いありません。また、家族介護においても高齢化が進んでいます。今後も「人」が行う介護は私たちにとって無くてはならないものだと思いますが、こういったテクノロジーが人の心を癒したり、諦めていたことが出来るようになったり、家族の時間をつくる事を可能とすることも忘れてはいけません。

日本福祉アカデミー
専任講師 真銅 至